言うほど万能というワケでもないらしいけど・・・JR東日本EF81形

 日本は、元々直流の1500vで電化を始めました。理由は、モーターってヤツを制御するに当たって、直流の方が御しやすかったからでしょう。

 でもって、地下鉄みたいに第3レールってヤツを使うトコや路面電車なんかでは600vや、750vを使ってたりしますが、これは、電気の区分で、750vまで(直流)を低圧、それ以上から6000v(直流も交流も)までを高圧、それ以上を特別高圧と言いまして、おそらく、人がうっかりさわれそうなモノに関しては低圧じゃなくちゃいけないんでしょう・・・

 話はそれましたが、とにかく、日本の場合、電気の基本は直流1500vだったわけです。

 これが戦後になりまして、交流で電化すると・・・というシミュレーションが始まるのでありました。

 そうすると、変電所でそんなにムチャして電圧や交直流をいじらなくてすみまして(発電所で起きた電気は交流なのね)、技術的にかなえば、タップ制御なるワザで結構スムーズに直流のモーターを制御できそうな時代になりつつあったのでした。

 そんなわけで、九州全線、北陸線の一部は関西系のため、周波数を60Hzにした交流2萬vにて電化したのでありました。

 また、東北方面の方は、東北線の黒磯から奥、羽越線は新潟の村上ってトコから先、常磐線は「地磁気研究所」ってのがある関係上、取手のちょっち先(たしか、藤代だとおもいました)あたりから、関東系のため、周波数を50Hzにした交流2萬vにて電化という結果に相成りました。

 実際、上記の理由で、北陸エリア、東北エリアには交流区間のみOKな機関車ってのが居ました。現在は九州、東北、北海道くらいにしかいないのかな? 北陸エリアは区間もあまり長くないし・・・

 さて、その交流区間があまり長くない北陸エリアを通って、大阪〜金沢〜新潟〜秋田〜青森ルート、いわゆる日本海縦貫というルートがあるんですが、ココを通るのに、今こそ電車がほとんどですが、客車だとしりゃ「トワイライトエクスプレス号」なんかが究極の例になりますけど、大阪から出て、田村(米原のとなりくらいかな?)で交流に切り替えて、糸魚川でまた直流になおして、村上で交流になおして・・・なんて気の長い事をやっちゃぁらんねぇべよ!!って事になりまして、それまで交流区間も周波数で縛りがあったんですが、直流、交流の3種類の電源を自由自在(?)に走り抜けられるような機関車ってやつを創ったってのが、このEF81って機関車なわけであります。

 ベースはこのとき好評だったEF65、コレに交直の機器を載せて出来たってのが大体の流れのようであります。

 メリットとして、大阪〜日本海縦貫線で青森まで通しの運用が出来ること♪ トワイライトエクスプレス、日本海など、長距離のブルートレインにはありがたい話だったりします。

 デメリットとして、結局直流区間を走る関係で、制御が直流のカム軸、抵抗制御をベースに開発しなくちゃならなかったこと・・・これが結構致命的ってものがあります。

 それまで、交流専用なら、モーター4つでEF81には負けないくらいのパワーをひねり出せたり、モーターのグリップ力(空転再粘着なんて言うらしいですね)がよかったりしたようなんですが、そう言うおいしいトコは全部捨てるカッコウになりました。で、直流機+交流機器というメカタが加わり、やっぱり走りに関しては今ひとつってトコがあるらしいですが、実用面で致命的ってことはなかったんでしょうねぇ・・・

 実際、敦賀あたりにいた、EF70形とか、ED70なんかをとっとと蹴散らして、北陸の主役と化してるイメージがあります。

 なお、国鉄で造った、「交直両用」という機関車は・・・コレの他に、常磐線で昔使っていたEF80ってのもありましたが、80の方はかなり前にお星様になってるはずです。

 それと、関門トンネル専用機ってことで、EF30という機関車もありましたが、これもEF81に道を譲って引退してます。

 パワーとか、そう言う面でこの機関車を見ると、あまりべた褒めはしない方がいいのかもな・・・ってネガティブな事も考えるんですね・・・

 ただ、ドコでもOKな機関車があるってことで、運用面ではすごく楽になっております。電線さえあればドコでもある意味OKですから、北斗星カシオペアから、トワイライトから・・・長距離貨物まで何でもアリですからねぇ♪

 この機関車も、出た頃は交直流カラーという「ローズピンク」という色で出てたんですが、どうも、イマイチさえない色だよなって思っていたら、やっぱりJRサイドもそう言う思いがあったようで・・・赤くなっております。

 いろいろと運用してる関係上、北斗星仕様の☆彡入り、カシオペア用、トワイライトエクスプレス用など、かなりいろいろバリエーションがあるようです。

 ただ、貨物仕様に関しては、最近、EF510形という新型が出て来ております。

 EF81安泰の時代がいつまで続くやら?・・・という状況です。

(H15.12.7)