間違いだらけの事故検証


 まず、お断りに書いておかないといけないのは、あくまでも私、ポッポ屋さんが思いついたままにこの件を書いており、結構憶測な部分が多いので、間違いなくこうだ! と言うモノでは全くありません。

 ということで、その部分が間違ってる・・・って部分もあり得ますが、そうなったら、加筆訂正したいなぁ・・・って思っております。

 それを前提でお読みいただいて、こんな仮説もあるんだなぁ・・・って思っていただければ幸いです。


 先日、営団日比谷線にて、最後尾車両が脱線し、それに対抗の列車が接触、多数の死傷者が出た・・・という、悲惨な事故が発生しました。

 最初、爆弾テロか?・・・と言われるほどの車体の破損、おそろしい事故でしたが、どうも、原因を考えると、いろんな事が見えてくるような気もしました。

 まぁ、基本的に、「脱線防止のガードアンクル」ってヤツを使用していれば、まず起きなかった事故であろう・・・というのは、各マスコミでも取り上げられたハナシであり、今更私がコメントするべきハナシではないと思っております。

 一応、話のタネにコメントしておくと、地上を走る鉄道屋さん、踏切やら、置き石やら、ある意味、脱線の危険があるポイントはいろいろ揃っております。

 そういうわけで、ある程度大きめな半径のカーブ(300mとかそのくらい)でも、安全対策でガードアンクルを使用してる区間があったりもします。

 踏切では、踏切道を過ぎてから数十mとか、場所によっては手前の区間にもレールの両側(カーブの場合は内側につけておけばOKなんですけど)に取り付けてあったりもします。

 営団では、結局、半径の小さなカーブでさえ(R=160mというのは十分小さな半径)そのガードアンクルを取り付けていない・・・というのが問題になってるだろう・・・と言うことに尽きるかと思います。

 さて、線路施設関係の問題はコレに尽きてしまうんですが、それなら、なんで、最近になってこんな現象が発生するようになったんだろう?・・・って思うわけです。

 で、私なりに思ったのが、台車には問題ねぇか?・・・と言うことになりました。

 かねてから、構造関係に興味があった「ボルスタレス台車」と言うヤツ、コレがどうも疑わしい・・・

 一応、3月12日現在、マスコミのハナシでは、この「ボルスタレス台車の構造」に関して、全くコメントがありませんが、趣味鉄道な私の目で見た感じでは、脱線の原因、コレにあると思ってるわけです。

 さて、いきなりボルスタレス台車がどうのこうの・・・と言われても、どんな台車じゃい?・・・って思われると思いますので、それまで主に使われている「車体直結タイプの台車」と比較して、ポイントを押さえてもらいましょう。

 右の写真は、某社の最新鋭の車両で使用されている「車体直結タイプ」の台車になります。

 台車の写真に数字を振りました。3の所が台車枠になります、ココに車輪の重量がかかり・・・1に行きます。3と1は、中心にピンが刺さっていて、ココで回転します。

 1と車体は、数字の下に横の棒がついてますが、コレを「ボルスタアンカー」といいまして、コレで結んでおります。2は空気バネです。空気バネは、横方向には結構強い部分があり、一応、モロには決まってませんが、ボルスタアンカーの受けの部分ともう1本出っ張ってる部分で大きなショックは受け止めるようになってます。

今度は、別の会社の新型車両の台車です。事故車のそれと同じメーカーのようです。

 これぞ、ボルスタレス台車のスタイルって感じで、3番は同じなんですが、その重量をそのまま2番の空気バネに載せ、車体を支える・・・という「揺れ枕装置」という部分(1)を省略した、昨今の最新鋭とも言えるスタイルです。上の写真の鉄道会社、走りがハードすぎて、ボルスタレス台車はちょっち無理・・・って理由で、採用してないらしい・・・という噂も出てました。

なお、前後の力は、台車中心の部分にピンや、リンク装置がついており、そこで吸収するようです。

 ここからは憶測ですが・・・

 で、思ったのが、カーブを曲がるとき、この台車、台車の中心を軸に、クビを振らないとカーブを曲がれないワケなんですが、車体直結タイプなどは、ある程度の角度なら十分に無理なく首を振れる構造になってるわけですが、このボルスタレス台車、空気バネがジャマになって首を振るのがつらいのではなかろうか?・・・という疑念に達するわけです。

 空気バネは、基本的に自動車などのタイヤとあまり材質は変わらないと思いますので力が掛かってもある程度吸収して動いてくれると思うんですが、それにしても、まっすぐに戻ろうとする力がかからないか?・・・って思うわけです。

 まぁ、半径の大きなカーブなら、実のトコ、大したことないと思うんですが、今度は「半径160m」という、鉄道車両としては急かな?・・・といえるカーブ、台車に結構ストレスかかってはいないだろうか?・・・って、趣味鉄道で元業界な私あたりは思っちゃうわけです。

 で、カーブを走っている最中に、前側の車輪です、台車の前側がムリヤリ内側に向けられてるわけですが、反発力がかかっていれば当然、外側に車輪が外れていこうとするのは理にかなってる・・・と言うわけです。

 で、さらに追い打ちをかけると、前例としてあげられていたJR九州、西鹿児島駅構内で起きた脱線事故・・・

 コレも「せり上がり脱線」という事故の典型的パターンで、線路の状況はほとんど変わらず・・・というハナシでした。

 さらに共通点を設けると、「車両は、つばめ型の新型、787系である・・・んでもって、その車両の台車も、気持ちよく「ボルスタレス台車」だったりする」と言うことになります。 

 で、こんな現象の多発は、この所である・・・ってのもポイントではなかろうかと思っているんですが、みなさんはどう思われますでしょう?

 今回の事故、ある意味、人災でもあり、そうでもなかったりもして、非常に珍しいといえる事故で、この所の重大事故、結構人的ミスによる衝突とかが多く、テレビで改めて見直してみると、乗務員、しょうがねぇなぁ・・・ってのもホンネだったりします。

 あと、余計なことですが、3分30秒遅れてたからどうのこうの・・・ってコメントもありましたが、定時で回ってればイッポン前の電車あたりもあやしかっただろうし、タイミングがもう少し違えば、車掌が停止措置を執ったあと、「発報信号」ってヤツを現示して、対向列車を停止させられたって思うのは、私くらいなんでしょうか・・・

 最後ですが、原因はどうあれ、最終的に、状況の改善、事故の防止に努めてもらいたいモンですね・・・各鉄道会社御中